マンガスクール☆はまのマンガ倶楽部は、横浜にある完全オンラインのマンガ専門教室(スクール)です。
網トーンの印刷面を削ることで、雲などの表現を作ることがきます。
雲にも、夏の雲のように綿菓子のようにボリュームがあるモコモコしたものと、秋の雲のようにスジ状のものがあります。表現したい雲の種類によって、カッターによる削り方を変えます。
ここでは2種類の雲のトーン削りを通して、 二通りののカッターの使い方を覚えましょう。
①モコモコ雲の削り方
持ち方は普通と刃の位置が逆。
刃ではなく刃のヘリを使います。
円を描く感じでカッターのヘリの部分を トーンに擦りつけトーンの印刷面をこそげ取るようにして削る。
②スジ雲の削り方
カッターは通常の持ち方。
上の図と持ち方の違いを確認してください。しっかり握らず、3本の指でほんの軽く持ち、カッターの重さだけを使うように力を抜いた状態で刃先でトーンの表面を引っ掻く感じで削る
②のスジ雲や太陽の光などを作るときなどに使う「スジ削り」ですが
削る際にはその削る方向に注意が必要です。
それは網トーンのドットは規則正しくある方向に並んでいるからです。
前に説明した「網トーンのドットの並びには方向がある」を
思い出してください。
左図を見てください。網の点は45度の方向に真っ直ぐに並んでいます。また、見方によれば、垂直(90度)方向と水平(180度)方向にも真っ直ぐに並んでいますね。
ということは削るときに、この45度、90度、180度の方向で削ると、点が真っ直ぐきれいに削れ過ぎてしまい、削りの微妙なニュアンスを殺してしまい、見た目が汚い仕上がりになってしまうのです。ですから削る場合は絶対にこの方向はNGで、避けなくてはいけません。
では削るのに最適な方向とはどこになるのでしょう。
それはこの真っ直ぐ点が並ぶ3つのNG方向の、ちょうど真ん中を通る方向です。
左図を見てわかるように、この方向なら並んでいる点が、いろんな削られ方(1方向ではない)をしていることに気付くはずです。
これが削りのニュアンスを作り出すのです。
角度で言えば45度の半分ですから22.5度と67.5度の方向となりますが、そこまで正確である必要はありません。
大体このくらいの方向に削ればいいんだなと、覚えておけば十分です。
以上を踏まえて2つの削りのサンプルを見てください。
左が方向をちゃんと考えて削った良い例のもの、右が45度などNG方向に削った悪い例です。
一目瞭然で左の削りはニュアンスの良く
右の削りが汚い感じの仕上がりになっているのが感じられるはずです。
トーン作業では2枚の網トーンを重ね貼りする場合があります。
その場合注意しなくてはいけないのは、重ねるトーンの「L番号」と「角度」です。
①角度がずれたことによる重ね貼りの「モアレ」
たびたび説明してきたように、網トーンの点は決まった角度で規則的に並んでいます。そのため2枚を、角度がズレたまま重ねると左図のように独特の模様のようなものが浮かび上がります。これを「モアレ」と呼びます。
通常はモアレを起こさないように、重ねて貼る場合は角度が同じになるように注意します。
②モアレによるグラデーション
ただ、角度を微妙にずらすことで、左図のようにグラデーションのような効果が生まれます。この効果が欲しくて、あえて少しずらして重ね貼りをするという、ワザもあります。
③L番号が違うためにおこるモアレ
重ねるトーン同士が違うL番号だった場合は、たとえ角度をそろえて重ねたとしてもモアレを起こします。
L番号が違えば点の密度が変わり、お互いの点の位置が違ってしまうからです。(L番号が同じトーンどうしは、点の位置は全く同じ。違うのは点の大きさ)
重ね貼りの場合は、一見同じトーンに見えたとしても
L番号が同じものなのかちゃんと確かめておくことが必要です。
ここで公開しているマンガ技法は全て
漫画スクール☆はまのマンガ倶楽部の作画実技コースで講義しています。
はまのマンガ倶楽部で、もっといろんなマンガ技法を学んでみませんか?
あなたのいる場所が
そのまま教室
完全オンラインの
漫画スクール☆はまのマンガ倶楽部
hamano.manga.club@gmail.com